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絵師カコのiTunesと音楽中心メモ。


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北斗物語のこと 完結編

昔、自作の小説「北斗物語」のサントラというものを考えてみたことがある。前述の年末の大風邪の直前に、その中から簡単にCDを引っ張り出せる曲だけiTunesに集めてみた。80年代末のゴス独特のベタベタな泣きのハードロックラブバラード「December」で始まるこのセットリストは時期的にも心情的にも良かった。
と思いきや、入院する勢いの体調不良に突入・・・。心情なんか吹っ飛んで、とにかく耳障りの良さだけが残って小さい音でずっと流れ続けていた(実際には突然ダウンしてPCはその時の状態まま数日間放置してあった)この「サントラ」を紹介しておかなきゃね。
時代考証から古い曲ばかりだけど、BLACKBOXなんか今でも聴ける、「Strike It Up」みたいのはさすがに時代感が漂うというか90年頃の流行独特の曲構成で懐かしいばかりだけど、今となってはむしろ「Ghost Box」みたいなスムースジャズは驚愕だ。・・・我々は一体何をしてるんだろうと思っちゃう。何の進歩もないどころかそれにも気付かず、とうの昔に確立されてた音を取り上げては最先端を気取り続けてるだけの気がしてくる。ロックの曲ではマイブラはやっぱり今聴いても凄い。この音をJ-POPの先鋭が今でも誇らしげにやって、それを最先端と思い込んでる大衆がいたりする。未だに世界の何処からもマイブラを超えるバンドは出て来てない。カコはそう思う。

  • All About Eve「December」(アルバム「Scarlet And Other Stories」より)
  • Liane Foly「Doucement(Bonus Track)」(アルバム「Sweet Mystery」より)
  • Liane Foly「A Trace Of You (Doucement)」(アルバム「Sweet Mystery」より)
  • Enigma「Principles Of Lust」(アルバム「MCMXC A.D.」より)
  • Patachou/パタシュウ「パリのいたずらっこ」(V.A.「Chanson De Paris 2」より)
  • Francis Lemarque/フランシス・ルマルク「マルジョレーヌ」(V.A.「Chanson De Paris 2」より)
  • Christian Death「Ashes (Pt.1)」(アルバム「Ashes」より)
  • Black Box「Strike It Up」(アルバム「Dreamland」より)
  • Black Box「Ghost Box」(アルバム「Dreamland」より)
  • Black Box「Dreamland」(アルバム「Dreamland」より)
  • Enigma「Principles Of Lust (Everlasting Lust)」(アルバム「MCMXC A.D.」より)
  • Christian Death feat.Valor「1983(C.D.)」(アルバム「Scriptures」より)
  • Christian Death「Luxury Of Tears」(アルバム「Ashes」より)
  • Christian Death「When I Was Bed」(アルバム「Ashes」より)
  • London After Midnight「Sacrifice」(アルバム「Selected Scenes From The End Of The World」より)
  • My Bloody Valentine「I Only Said」(アルバム「Loveless」より)
  • Jacqueline François/ジャクリーヌ・フランソワ「愛の賛歌」(V.A.「Chanson De Paris 2」より)
  • Whitney Houston「I Have Nothing」(O.S.T.「The Bodyguard」より)
  • Whitney Houston「I Will Always Love You」(O.S.T.「The Bodyguard」より)
  • Neutron 9000「Cherry Petals」(アルバム「Walrus」より)
  • Enigma「The CROSS Of Changes」(アルバム「The Cross Of Changes」より)
  • Enigma「Out From The Deep」(アルバム「The Cross Of Changes」より)
  • 及川光博「バラ色の人生」(アルバム「ニヒリズム - Mitsuhiro Oikawa Greatest Hits 90's」より)

「北斗物語」は自分の下北沢時代の始まりから終焉までを結構事実に忠実に書いたものだ。例えばBlack Box「Strike It Up」は実際に芝浦GOLDでのコニーのパーティー(クラバーの先駆者の人には懐かしい?)での妖しいパフォーマンスショウでかかっていた曲。
さて、その「北斗物語」に、シモキタを去る時の描写がある。夜明けにしかも茶沢通りでタクシーを拾うことは不可能に近い(今は知らないけど)。それを無理矢理拾ってシモキタを身一つで夜逃げ状態で脱出した時の描写がある。
「今何時。」
運転手は少々怪訝な顔で、まだ五時前だけど始発は出ている、と言った。私はそれを無視して
「じゃあ、赤坂。」
赤坂までどうやって行くのか、どの位かかるのかも知ったことではなかった。
「赤坂見附の交差点を月世界通りに入ってくれる?」
月世界通り? お客さん古いこと言うねえ、と運転手が笑う。それは「田町通り」という名の通りの別称だった。その辺が華やかな歓楽街だったのはもう過去の話だろう。私が二十歳の頃には既に赤坂は廃れていた。だが「月世界通り」にはかつて文化人の通った日本初のディスコ「ムゲン」があり、その隣りには同経営でロック専門の高級ディスコ「ビブロス」があった。「ビブロス」には、来日するロック・スターが必ず訪れた。そこには一流グルーピーたちや外国人モデル、それに私の最初のバンド仲間だった派手好きな連中が、毎夜集まったものだった。
大東京。夜明け前。
もう少しだけ空が白んで来るといいのに。よく見えるようにだ。
郷愁さえ感じることが出来ないほど遠い昔の景色。その上、その景色は今はもう、まるで残っていなかった。多分所々が少しずつ変わっただけなのだろうが、そういうことで総てが変わってしまう。「ビブロス」は何年か前に閉鎖されているし、今となっては何処にあったのかさえ判らず終いだった。
「どの辺ですか。」
「ごめん。やっぱり六本木に行ってくれる?」
「…六本木、ね。」
「ああ、その前に、青山通りと表参道も通ってみたいんだけど・・・悪いけど。」
運転手は答えなかった。もうクリスマス・シーズンの並木のライティングは始まったろうか。いつか真夜中に見た、ライトでいっぱいの並木道。行ったこともないシャンゼリゼ通りを思い、うっとりしたものだ。
 青山通りにあったはずのタワーホールという場所はもう見つからず、表参道も変わり果てている。
(中略)
私は六本木の交差点で車を降りた。予算オーバーだ。でもここから電車で、昔よくそうしたように、帰るのも悪くない。私の街。私のバビロン。バビロンは、わりかし冴えない夜明けを迎えつつある。人通りもまばらで、そのまばらな人通りの見てくれも、冴えない。土曜の朝でもこんなに廃れているのだ。時代は終わった。私はふと、ガラス張りの壁に映る自分の姿に目をやった。
もう若くない。
でも、それも悪くない。
「バイバイ、バビロン。」
私は人気のない夜明けの六本木を歩きながら、そう呟き、微笑んだ。
帰る場所はもう何処にも残っていなかった。今、私は全てを手放したのだ。


この文章が10年前に書かれた物である事を再び付け足して、終わりにしよう。
それから10年。失われたと思っていた故郷はあった。変わり果てて荒み果ててはいたが、それは残っていた。そこに今、私はいる。

写真は麻布に現存する「ビブロス」。一昨日撮った。ちなみにここと赤坂にあったビブロスとは関係がないらしい(自爆)
BYBLOSAZABU
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